『小泉今日子 書評集』小泉今日子

読売新聞の読書委員を10年間務められた女優・小泉今日子さんによる書評集。10年間で書評した本は、なんと97冊。そのどれもが、妥協せず、真摯に本と向き合って書かれたものであることが、最後の特別インタビューからもうかがえる。
 
書評でありながら、ご自身の経験や想いが、まるでエッセイのように織り込まれているところがすばらしい。読み進めていると、小泉さんはこの本から、このようなことを感じ取るのか、という驚きや感嘆も入り交じる。
 
小泉さんの書くことばは、ご本人そのまま、キラキラと輝いていて、みずみずしく、美しい。けれども、きれいごとだけではなく、美しいものには棘があることも赤裸々に書かれている。
 
たとえば、小泉さんはご自身の棘について、こう述べられている。
 
小さな後悔は、細くて鋭い棘のように胸の中にいつまでも突き刺さっている。普段は痛くもなんともないけれど、何かの拍子に思い出した時、チクッと胸を刺してくる。
(中略)
彼らの人生に関わる事なんか出来ないくせに気まぐれに近づいて無性に優しくしたくなる。結局、私の胸の意地悪で残酷な棘は、そういう中途半端な優しさなのかもしれない。
 
(桐江キミコ著『お月さん』の書評より一部抜粋)

 

自分自身のことを俯瞰的に見ることのできる、小泉さんならではの切り口のように思う。

そして、なによりすばらしいのは、「この本を読んでみたい!」と強く思わせるところ。まるで小泉さんのエッセイのようでありながら、書評としても見事に成り立っているところが、他の方には真似できない、独特な書評集に仕上がっているのだろう。

小泉さんの美しいことばに触れたい方にも、おもしろい本を探している方にも、ぜひおすすめしたい一冊です。

 
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これから、読んだ本の感想なども書いていこうかと思っています。書いておかないと、何を読んだか、どんな本だったか、忘れちゃうんだよね。

ちなみに、昨年末、小泉今日子さんの『黄色いマンション 黒い猫』も読みましたが、こちらもオススメ。ドラマや映画などで拝見するキョンキョンはすごく遠い世界の人のように感じますが、この本の中にいるキョンキョンはとても身近に感じます。飾らず、気取らず、年齢を重ねていく不安や孤独もさらりと書かれていて、特に女性には共感できる部分が多いんじゃないかな?

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
手嶌ゆり子でした。